天保六年の
創業から守り続ける
変わらない味。

鎌田醤油の創業は、江戸時代後期の1835(天保6)年。その頃東北地方は、冷害や大雨、暴風による大凶作が原因で、「天保の大飢饉(ききん)」などの飢饉に見舞われていました。当時の農民たちは、野山で木の実や草の根などを食べて飢えをしのぐほどに、食べることも生きることも厳しい時代でした。
当時の鎌田家では農業の傍ら酒造りを行っていましたが、藩主の指令によって贅沢品ではなく日々の暮らしを支える味噌・醤油造りに転業。どちらも同じ「醸造」のため、共通する麹づくりの技術を生かした味噌・醤油造りが始まりました。以来、創業からおよそ200年にわたって、創業時の想いや技術を受け継ぎ、変わらない味を造り続けています。
鎌田醤油の屋号である「キッコートキワ」。“キッコー(亀甲)”は字のごとく、亀の甲羅を表す長生きの象徴。“トキワ(常磐)”は永遠不滅や不老長寿などを表しています。飢饉の被害が大きかった時代に創業したことから、人々の健康と長寿を切実に願っていたことを屋号からも感じることができます。
鎌田醤油がある宮城県美里町を含む「大崎耕土」は、2017(平成29)年に世界農業遺産に認定されました。大崎耕土の人々は、幾度となく見舞われた冷害や洪水に負けず、米・麦・大豆の三大穀物を多く生産し、これらの原材料をもとに発酵食品の産地として豊かな食文化を形成してきました。私たちもこの恵みに感謝し、無駄にすることなく、みなさんに喜んでいただける味噌・醤油をお届けしていきます。
message